原作:桐依朝子
脚本:佐次靖子
演出:佐次和弘
夏組初のタイムスリップ物に挑戦した作品。
昭和13年の雰囲気を出すため、衣装探しに奔走。芸者の立ち居振る舞い、セットの工夫、現代とのスムーズな移行など、問題は山積みだったが、舞台は好評で夏組の新たな代表作となった。
この作品で静岡県芸術祭奨励賞をいただいた。
あらすじ
竜崎徹は安養ホームでしかたなく仕事をしている介護士。
恒例の夏祭りの時、突然昭和13年に迷い込んでしまい、美しい芸者・千菊と出会って心惹かれる。千菊をとりまく様々な人々は、その時代を精一杯生き、煌めいていた。そして徹も自分に出来る精一杯をするのだが・・・。
徹はやがて、自分の愛した千菊が安養ホームで寂しく息を引き取った章代であることに気づく。どれほど章代に自分が邪険に接したかを振り返り後悔に震える。そして何とか章代がそんな寂しい人生を送らないように、未来を変えようとするのだが・・・。